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るろうに憂心 浪人譚

世の中を、人生を流浪して思ったこと・考えたことなどの雑記帳。結構本当に流浪人しているどこにも所属していない者です。

色覚異常の世界

色覚異常を指摘されたのは小学校低学年の頃だと記憶している。

身体測定の日に何やら薄い冊子のようなものを目の前に出され開くと雑然と数色の色で染められた円状のページを見せられる。

 

「ここに書いてある数字分かる?」

 

と保健室の先生に聞かれる。

 

「?????」

 

僕の頭の中はクエスチョンマークで埋め尽くされた。この人は何を言っているんだ?数字?ふざけるな、である。本当にそう思った。子供だと思って何をバカなことを突然言い出しているのか?僕はハッキリと言ってやった。

 

「数字なんか書いて無いです!」

 

そこで先生は「あちゃー、バレた?(笑)」と言う反応をするものだと思っていたら大真面目な顔をして

 

「いや、書いてある。ちゃんと見て」

 

と宣う。ははーん、さては先生は生徒が嘘つきかどうかを試しているんだな、そういうことなんだな、と本気で思った。

 

「いや、無いですよ!」

 

と元気に答える僕。

 

「・・・」

 

相変わらず大真面目な顔で今度は黙りこくる先生。

 

「…本当に見えない?」

 

と声のトーンは真に迫っているのが子供ながらに分かった。しかし、書いてないものは書いてない。目の前で何が起こっているのか、先生が一体何を意図しているのか全く理解できなかった。「数字?どこに?本のページ数みたいに小さい数字を探し出すということか?でもそれも無い。訳がわからない」率直にそう思った。何ページかめくられて同じ押し問答が続いたが結局ほぼわからない。なんとなく数字に見えなくも無いページもあったが、例えば3なのか8なのか判然としなかったり確証は無かった。

 

教室に戻るとクラスメイトが「あの数字当て簡単だったよなー!」と皆口を揃えて言っている。

 

「?????」

 

僕の頭は再びクエスチョンマークで埋め尽くされた。どういうことなのか?他の生徒にはわかるものを用意して僕だけが不良品が用意されたのか?はたまたこれは学校中を巻き込んだ壮大なドッキリなのか?僕は子供ながらに混乱したことを覚えている。

 

その後、記憶は曖昧であるが眼科へ行き、「色覚異常ですね。色覚異常はなんたらかんたらで~」と色々説明を受けたような気がするが当時の僕にはなんだか色の見え方が異常なのだな、と言う認識であった。その時である。「将来お医者さんとかパイロットとか化学薬品扱ったりする仕事には就けないかもしれない」と言うような言葉に衝撃を受けた。まさか小学校低学年にして将来の職業が制限されてしまうとは。今でこそだいぶ緩和されたが今でも電車の運転士やパイロットは色覚異常は欠格事由とされている。

 

よく誤解を受けるのが「血の色とか緑に見えたりするの?!」などと聞かれるがそんなわけはない。まぁ僕には血の赤が赤として認識しているので他人にどういう赤に見えているのかはどうやっても分からないため同じ色として認識しているかどうかはわからないが。

 

大まかに色の区別はつく。しかし細かい区別がつきづらい。僕は赤系の色がよく判別しづらい。赤、ピンク、オレンジ、茶、この辺りが並ぶと一瞬でどれと言う判断が難しい。焼肉に行ったときに焼けているという状態はわかる。しかしベストな焼き具合と言う状態がわからない。焦がしてしまうのもあれなのでだいたいレアな状態で食べることが多い。

 

一度結構衝撃だったのが昔都内のアパートに住んでいた時のことである。アパートの大家さんはアパートのすぐ隣の家に住んでおり、こう言っては失礼であるが江戸時代のような古民家に住んでいた。しかし僕が住んでいる間に家を新築し白い外壁に覆われた洋風のおしゃれな邸宅へと変貌を遂げた。

 

「おおー、おしゃれになったなぁ」

 

と僕は心からそのセンスに感動していた。しかしである。知人が僕の家に来るなり「隣の家センス悪くない?」という。「そう?俺はおしゃれだと思った」と言うと「え~、外壁ピンクはないでしょ~」との返事。

 

「・・・ピンク???!!」

 

そう。僕が真っ白な外壁だと思っていたものは白ではなくピンクだったのである。言われてからもう一度まじまじと見てみると「確かにこれは真っ白ではない・・・」と認識した。

 

だから僕は金髪クラスにならないと髪を染めてるのかどうかもまじまじと確認しないと正直気づかない。ほのかな茶髪くらいではあまり変化に気づかない。カラーコンタクトも気づかない。言われれば「確かに」という感じなのである。

 

あんまり書くと本当に色の区別がつかないんじゃないかと思われてしまうのでこの辺でやめておく。大まかには色の区別はついている。

 

僕のファッションはよく奇抜だと言われることが多い。ヴィヴィアンウエストウッドやアレキサンダーマックイーンのようなアバンギャルドなものをよく好む。他界したX JAPANのhideや忌野清志郎のようなファッションがカッコいいと心から思っている。ヴィヴィッドカラーが好きなのも色覚異常となんか関係があるのだろうか?