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るろうに憂心 浪人譚

世の中を、人生を流浪して思ったこと・考えたことなどの雑記帳。結構本当に流浪人しているどこにも所属していない者です。

プロレスというジャンル

毎年1月4日にはプロレスファンにはもう完全に根付いたイベントがある。新日本プロレスが開催する1.4東京ドーム大会、通称「イッテンヨン」である。初めて1.4興行が行われたのは1992年、もう25年前になる。

 

僕がプロレスに興味を持ち出したのは小学生の頃である。クラスの中でプロレスがブームになり出していた。とはいってもその頃はすでにプロレスはゴールデンタイムから撤退しており、当時のメジャー団体全日本プロレス、新日本プロレスともに深夜0時以降に放送されていた。小学生にはとても起きていられない時間であり毎週ビデオ録画をしていた。ちなみに今のように便利なハードディスクに取り込むような録画機能がなく完全に時間帯指定をしての録画であったため、当時のゴールデンタイムで放送されていたプロ野球中継が延長されてしまうとせっかく楽しみにしていた録画番組が完全にずれてしまい良いところで途切れてしまう、ひどい時にはまるまる別番組が録画されていたりすることがあり野球中継にはふざけるな、という思いを持っていた。なので野球に興味はなかったがプロレスの放送がある土日は野球中継が何時まであったのかを確認する必要があった。今みたいにネットなんてものもなかったので見過ごしてしまうと何時まで延長されたのかが不明であり(あとの番組のテロップで「野球延長のため○分遅れで放送しています」と出ることは出るが)、とりあえず120分テープを用意し、最大までとれる範囲の時間を設定して録画予約した。それほどプロレスには熱中した。

 

小学生のころは完全にバカなことをしていた時期であり、走り高跳びなどで使うセーフティマットの上でプロレスごっこもやったが一度学校の廊下でバックドロップを食らったことがある。木造校舎だったからよかったものの、コンクリートであったら冗談抜きで死んでいたかもしれない。「痛い!」というのももちろんあったが「息ができない!」という状況に陥った。受け身も知らず、不意にかけられたので頭から落ちて気道が詰まったのかなんなのか今となってはわからないが1分くらい呼吸ができず死ぬと思った。それでもその後のプロレスごっこは続き、跳び箱の上からムーンサルトや雪崩式フランケンシュタイナーをやっていたあたり死線をさまよったにもかかわらず何も学習しない猿であったと言える。

 

その後、中学に入ってもプロレスブームは僕個人としても世間的にも上昇していった。僕らの祖父世代だと馬場・猪木、父親世代だと長州・藤波・天龍・鶴田・タイガーマスクだが僕の世代は完全に四天王、三銃士世代だ。四天王プロレスのクオリティの高さと三銃士のストーリー性は思春期の僕の感性を大いに刺激した。地元は田舎であったためなかなか生で観戦することはできなかったが当時発足したみちのくプロレスはよく観戦した。

 

よくプロレスを否定する人に「八百長でしょ?」「最初から決まってるんでしょ?」という発言をする人がいる。「うん、だから何?」としか思えない。そんなことを言ってしまう人は手品やイリュージョン、メンタリズムと言った類も「どうせタネがあるんでしょ?」と得意げに言い放つのだろうか?そういうのをわかった上で楽しむ心がないのはまぁ息苦しい生き方をしているな、と思う。真剣勝負を前提とした総合格闘技やK-1などが衰退し、低迷期がありながらも現在も存在して再びブームを起こしているプロレスを考えた時に大衆は真剣勝負よりも面白いエンターテインメントを求めていると言える。真剣勝負などと言うのはつまり殺し合いだ。人が壊れる瞬間を見たいなどという人は病的なsadistであり、考え直した方が良いと思う。真剣勝負というのは端的にいうと街の喧嘩とほぼ同じだ。あんなものを金払って見る価値など無い。

 

そりゃあ僕も小さい頃はプロレスが真剣勝負だと思っていた。でも色々と暗黙のルールが存在することは理解してくるし、プロレス界禁断の書と言われるミスター高橋が出版した例の本でプロレスの舞台裏は白日のもとにさらされた。賛否両論ある著書であるが僕はあの本に関しては否定的な立場である。

 

しかし、それでもプロレスに対する魅力は未だにある。鍛え上げられた男たちが四角いリングで尋常では無い闘いを見せるだけでも非日常であり、間近で三沢光晴、小橋建太、武藤敬司、橋本真也を見たときはあまりのデカさに同じ人間とは思えず、存在自体で人を魅了し、金を稼げる素材、資質であると子どもながらに思った。街で見かける大きな外国人とは全く次元の違うデカさだった。

 

プロレスの魅力の一つとしていい意味での「曖昧さ」「いかがわしさ」があると僕は思う。もっと評価されていいジャンルであるがそこまでメジャーではなくもプロレスと言うジャンルは皆知っていてレスラーの時に「ん?」と思わせる言動もまた面白い。

スポーツであり格闘技でありエンターテイメントでありビジネスでありその全てを包含し、プロレスとは何か?と聞かれたらプロレスはプロレスだ、と言うのが一番近い答えだと僕は思う。

 

昔の長州、天龍、前田などの殺伐とした空気もありだが(長州など昔からは考えられないくらい丸くなった)今のようにバラエティ番組に出て親しみやすさを感じさせるプロレスラーもありだと思う。

 

つまり、プロレスの可能性は無限大であり単なる殴り合い、蹴り合いだと思ってる人はつべこべ言わず一度動画でも生観戦でもいいので見てもらいたいなあ。

 

うーん、全然プロレスの魅力を語りきれてない。また書こう。